Op.127 鳴り響く鐘の呼び声〜⼆つの鐘、⼆つの運命 (小~中編成吹奏楽)

※オリジナルのWind Works版(管打9重奏版)と、
小編成吹奏楽版(15~35名程度向け吹奏楽版)がございます

Wind Works 委嘱作品

作曲年
2023

英題
“The Ringing Echoes: Two Bells, Two Destinies” for Wind Ensemble

中題
≪兩鐘、兩命:鐘聲響起的呼喚≫

グレード
4.5

演奏時間
6:30

楽譜
Wind Works版-管打9重奏
piascore楽譜ストア(ダウンロード・販売譜)

小編成吹奏楽版(15人~35名程度向け)
piascore楽譜ストア(ダウンロード・販売譜)

演奏(オリジナルのWind Works版)
Wind Works

演奏(小編成吹奏楽版)
電子音による参考音源

解説
毎月新曲初演シリーズ、6月の楽曲は「鳴り響く鐘の呼び声〜⼆つの鐘、⼆つの運命」です。この作品は、福井県にある千年以上の歴史を誇る「佐伎治(さきち)神社」の姉妹鐘と、それぞれが辿る奇妙な運命に焦点を当てています。この伝説は複数のバージョンが存在し、内容は似ているものの結末が異なります。
佐伎治神社に祀られる「雨乞鐘」とも呼ばれている妹鐘と、海底に眠るとされる姉鐘、これら二つの鐘にまつわる伝説にはいくつかのバージョンが存在します。ある伝説によれば、干ばつを解消するために妹鐘を海に沈め、それにより雨を引き寄せたとされています。またある伝説では、姉妹鐘を再会させるために姉鐘を海から引き上げようとしたところ、激しい天候に見舞われたために断念せざるを得なかったとされています。どちらにも共通するのは、二つの鐘を一緒にすると大自然が動き出すという神秘性です。本作品はその神秘性から着想を得ており、離ればなれになった二つの鐘の声を優雅かつ力強い旋律で表現しています。
楽曲制作の過程で、まず神秘的な伝説から力強い序奏が生まれました。次に、ピッコロのソロから始まる中間部は、優しくも深い感情を奏でます。これはまるで心の奥深くから湧き上がる思いを歌っているような場面です。そして後半部では、各楽器が速いテンポで響き合い、二つの鐘が互いに呼び合っているかのような情景を表現しています。
吉兆とも凶兆ともとれる二つの鐘の運命を想像しながら、たった9人で奏でているとは思えない壮大なWind Worksの音楽の世界に浸ってみてください。

編成(Wind Works版)
管打9重奏

Picc.&Fl. / Cl. / S.Sax.&A.Sax. /
Tp. / Hn. / Tb. / Euph. / Tuba /
Drs.(+Bng.)

編成(小編成吹奏楽版)
*15~35名程度向け

Picc. / Fl. / Ob.(**S.Sax.) / Bsn. /
1st Cl. / 2nd Cl. / Bs.Cl. /
A.Sax. / T.Sax. / B.Sax. /

1st Tp. / 2nd Tp. / 1st Hn. / 2nd Hn. /
1st Tb. / 2nd Tb. / Euph. / Tuba / Cb. /

Timp. /
1st Perc. (Cym. / Bng. / F.Tom) /
2nd Perc. (S.Bell / B.Dr.) /
3rd Perc. (Glock. / Xylo. / Chime) /
***Perc.

*基本的にオプションパートはありませんが、各パートに影譜(小音符)が多めに入れてあるため、多少編成が偏っていても演奏可能です
**スコア上はオーボエのみ。ソプラノSax用にin Bbに移調したオプションパート譜があります
***Wind Works版のドラムパートと共通です。基本的には1st Perc.と2nd Perc.を集約した内容になっています。このパートを演奏することで、打楽器奏者が1人から演奏可能です