Op.103 足跡(ヴァイオリン+ピアノ)

作曲年
2021年作曲

英題
The Beginning of the Journey for Violin and Piano

グレード
4

演奏時間
7:00

楽譜
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演奏動画
Violin 高松亜衣さん、Piano 井川かなえさん

編成
Violin
Piano

曲目解説
「足跡」は、自身が2019年より毎年開催している「半分リサイタル」シリーズの、第3回にて初演されました。
ゲストとして高松亜衣さんにもご出演いただき、亜衣さんのために書き下ろした楽曲です。

ヴァイオリンとピアノのための作品は世の中にすでに溢れている中、なぜあえて新しい作品を書いたのか。それは、同時代を生きた作曲家として、亜衣さんのここまでの「足跡」を音楽に封じ込めることができるのではないかと考えたからです。

楽曲の冒頭では、この作品の核となるメロディーが、ヴァイオリンのソロで提示されます。初めは一人で孤独に演奏していたところに、少しずつピアノが彩りを加えます。黙々と楽器に向き合っていた亜衣さんの周りに、様々な仲間が増えていく様子をイメージしました。
その後、しばらく二人の対話が続きます。支え合ったり、時にはぶつかったりを繰り返しながら勢いを増します。緊張の糸が張り詰めたまま盛り上がりはピークを迎え、急にヴァイオリンのソロに戻ります。
演奏するのは冒頭と同じメロディーですが、あの頃とは見えている景色が違います。再び加わるピアノと響き合い、より一層華やかに盛り上がりを見せた後に、さらなる未来への期待を暗示させながら演奏は幕を閉じます。

伝統と革新を両立して道なき道を進むヴァイオリニストとして、亜衣さんが今後どのように時代を変えて行くのか、目撃者の一人として私も期待に胸を膨らませています。